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「飯はまだか?」
そんな事を真顔で
突然言い出す彼女は一応…魔王様。
…まだ出発してから1時間しか経ってないんだが…
敢えて無視して歩いていると
―ガッ。
…後頭部に鈍い音。そして痛み。
「って、何すんだ!痛いだ―」
「五月蝿い黙れ。腹に響く!」
……(´・ω・`)
「飯はまだかと聞いたのだ。流すな。」
眉間にしわがよっているルシフェル。
…ルシフェルの分の荷物も背負い、前を歩く俺。
俺、勇者…だよね?
「あのさ…まだ出発してから1時間しか経ってないから。」
「だから何だ。余は空腹なのだ。」
即答。
…いや、即答すんな。
「…次の街まで待て。そしたら腹いっぱ―」
「本当だな?!」
俺が言い終える前に言うルシフェル。
気のせいか瞳が輝いているような…
「そ、そうだ!だから頑張れ!」
「解った。ではもうひと頑張りしようではないか!」
満面の笑み。
…ヤバい!コレはヤバい!!まさかの笑顔に殺られる…!
俺は前代未聞のこの攻撃をもろに受けてしまい
……結果、赤面。
「む?どうしたレイン。風邪か?」
心配(?)そうに訪ねてきたルシフェル。
…うん。ふざけるのは止めよう。
ルシフェルはそんな俺を不思議そうに見ている。
……原因はこいつなのに…くそっ!
俺は何故か腹がたち、足元の石を蹴りあげた。
石は見事に飛んでいき―
―ゴツッ。
「「あ。」」
鎧を着たデカイ…エリマキトカゲにHITした。
「グルルル…」
……ありゃ。怒ってらっしゃる。
狙ったわけじゃないから見逃してくれ―
「ガルルァア!!」
トカゲは叫ぶと槍を振りかざしてきた。
―ないらしい。
…ですよねー(・∀・;)
▼トカゲソルジャーが現れた!
…トカゲソルジャーか。厄介な敵だな。
トカゲソルジャーは見た目からは想像出来ない程に強い。
今まで戦ってきた敵としては多分上位だろ―
「む。敵か。」
ルシフェルは右手をかざし、【地獄の火炎】を放った。
「ギャァ゛ァ゛ア゛!!」
トカゲソルジャーは
身の毛もよだつような断末魔をあげると絶命した。
…後にはチリすら残ってなかった。
「なんだ、雑魚ではないか。」
そう言って服についた埃を払う魔王様。
……一瞬ですか?!(゚д゚;)
俺は心の中でトカゲソルジャーの冥福を祈った。
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