西の魔王

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その後、計3回魔物と遭遇し、戦闘になったが… …全部ルシフェルに消し炭にされた。 ……俺勇者なのに一度も戦闘してないというね。 うん。ちょっと寂しいかな…。 そして今俺達は、西の国。 【ティルア】の城下町にきている。 この国は国の周りに結界が張ってある為 石壁じゃない分解放感がある。 ……まぁ、住人は皆魔族だけど。 完璧に見た目が人間な奴もいれば 尻尾が生えてたり。 角や獣耳があったり、羽が生えてる奴もいるし。 そのまんまな姿の奴もいる。 「ほー…これが町か。」 ルシフェルは興味ありげに呟くと キョロキョロと落ち着きなく周りを見回している。 それも瞳を輝かせて… ……何か、他人のふりしたい位に…挙動不審だな…。 「…お前。もしかして町来るの初めてなのか?」 「…なッ?!…そ、そんな訳なかろう!余は魔界でも名の知れた町好きで―」 「いや。普通に嘘だろソレ。」 「ぐ…っ!」 ルシフェルは唸るが…すぐに町に視線をチロリと移し、 気付けば土産屋を凝視していた… 「…ちょっと用事が「土産屋に?」 「「……。」」 ……何で見栄張るんだろう…。 俺は心の中で不思議に思った。 「……300Gまでだからな。」 俺がそう言って金を渡すと ルシフェルはパアッと向日葵のような笑顔を― 「少ないッ。もっとよこせ!」 ―見せるどころか眉間にシワを寄せてきた。 ……可愛くない(-"-;)コノヤロー… 「お前は何を買うつもりなんだ?」 俺が苛つきながらも穏やかにそう言うと ルシフェルは自信満々にある物を指さし… 「これDA「却下。」 ルシフェルの指さしたのは魔力を高める効果のある水晶の付いた指輪… ……15000G。 …現在の所持金は5200G…うん。無理。 「お前の魔力は無尽蔵に近いんだから…それ以上高めてどうする。無駄だ。」 俺はそう言うと宿を探しに歩き出した。 勿論はぐれないようにルシフェルの手を掴んで。 「…使うのは余ではない…」 ルシフェルは俯き、小声で呟いたが、レインの耳には届かなかった。image=334072641.jpg
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