西の魔王

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―ルシフェル・サイド― その後、計3回魔物と遭遇し、戦闘になったが。 全部余が消し炭にしてやった。 ……それにしてもレインは何とひ弱な事か! 余に挑んできた勇者にも関わらず、 戦闘が始まっても一度も参加しなかった…! これはもしや魔力を出し惜しみしているのか…? だとしたら魔力が少ないのやもしれぬ。 ここは余が魔王として…いや、 旅の同行者として考えてやらねば。 そして今余達は、西の国。 【ティルア】の城下町に到着した。 この国は国の周りに結界が張ってあるらしい。 余の城には結界等無かったので、中々に珍しい。 ……これは中がどうなっているのか興味が湧くな…。 「ほー…これが町か。」 ほほぅ。町とはこのようになっているのか… 余は今まで町に行きたくても兄上に何故か止められてたからな… 来れたのがなんだか嬉しい… ……ん?レインが余を見ている?余は何かしたか? 「…お前。もしかして町来るの初めてなのか?」 …何故バレた?!こやつには読心術でもあるのか?! と、とにかく誤魔化さなければ…! 「…なッ?!…そ、そんな訳なかろう!余は魔界でも名の知れた町好きで―」 「いや。普通に嘘だろソレ。」 「ぐ…っ!」 何故だ!何故バレた?! こやつは読心術でもあるのか?! 「…ちょっと用事が「土産屋に?」 「「……。」」 ……隙が…無い。 何て奴だ…これが勇者。 こちらの考えはお見通しなのか…?! ……やはり、魔王は魔王らしくしろと。 こやつも言うのか…? 「……300Gまでだからな。」 …は? レインはそう言うと300Gを余の手に握らせた。 ……レイン…。 「少ないッ。もっとよこせ!」 この程度ではアレは買えぬではないか。 「お前は何を買うつもりなんだ?」 レインは微笑みながらそう言うと 余は自信満々にアレを指さし…
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