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「止メてくだサいヨ。ソンな目デ見るのハ。
ネぇ?北の魔王様…
―いぇ、出来損ナいの
ルシフェル=アーク?」
「……何が言いたい?外道めが。」
冷たく、殺気を乗せて言い放った。
…昔から、こやつは読めない…
「だカら、出来損ナいって言っタのデスよ?」
感情の感じられない、まるで機械のように淡々と出る言葉。
……危険だ。
そう…余の本能が告げている。
「貴様に言われる筋合いは全く無いが…まぁ良い。今日は聞かなかった事にしてやる。」
―関わるな。
―帰らせろ。
「さぁ、帰―」
―ヒュンッ。
言い終える前に。何かが、横を飛んでいった。
「なっ…貴様ッ」
素早く振り向くと、そこには相変わらずの冷笑で…ラウナが余を見下ろしていた。
そして余の体は黒い…触手のような何かに自由を奪われていた。
「何だコレはッ…気持ち悪い…!」
「コレだナんて酷いデスね。彼女は《ダークプラント》…私の作品デスヨ。」
「作品…だと?」
「えぇ…ソして彼女の主食は魔力なのデす…つマル所、貴女に夜食になっていタだキタい。」
「なッ…余が餌だと?!ふざけるなッ!!」
ラウナを睨み付けながら、触手から逃れようともがくが
もがいても、もがいても変わりはなく、
魔法で吹き飛ばそうかと考えた時―
「―滑稽デスね。仮にモ魔王ともアロう者ガ…
まぁ、
"アノ愚かナ落ちコぼれ神"
の教え子ならコノ程度ですカネ。」
―プツン。
何かが切れた。
余の中で、そんな音がした。
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