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「……貴様ッ…」
―溢れた感情は黒いもの。
―憎悪
そして 彼の人を 侮辱された 怒り。
「貴様ァァァァァァァァアアァァァアッ!!!!!」
余は吠えた。
普段出さないような声で。
殺意を込めて。
それは最早 咆哮。
そういえば 昔、兄上に言われた事がある。
「いいかい、ルーちゃん。君の力…暴走させてはいけないよ。
でないと―
また、独りになるかもしれないから。
約束だよ?」
―ごめんなさい…兄上。
そう頭の隅で呟き、
余の意識は闇に呑まれた。
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