やってきた馬鹿

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「ここが…魔王の部屋か。」 俺達は2日を費やして…やっと最上階の部屋の前に来た。 ……色々あったんだ。 まず、魔王城に入って早速四天王全員が…一階でスタンバイしていたのには流石に驚いたな。 1日と半日かけて何とか倒せたけど。 そういえば変な事言ってたな…。 ―――――― 「なッ…?!四天王が揃っているだと?!」 流石の盗賊も、驚きの隠せない声で言った。 A「フフフ…どうしました?四天王が揃っているのがそんなに可笑しいですか?勇者一行よ。クスクス…」 四天王の中で、葵い鳥のような魔物が笑う。 B「わしらとて馬鹿ではないのでな…」 緋い亀のような魔物はそう言うと、白い髭を撫でた…。 C「まぁ、そういう事だからさー。」 黒い虎のような魔物はダルそうに笑い、 D「…死ぬがいい。」 碧の竜はそう言うと激しいブレスを放つ。 「勇者!流石にこいつわヤバくないか?」 剣士は笑いながら言う。 そう、その言葉はこれから魔王との戦いを考慮しての言葉。 「何弱気になってんの!無言で働け、この穀潰し!」 ……賢者さんは…やっぱりSですね。 こんな時にこんな事考えてる俺って一体… 「……もっとだ…もっと俺にキツイ言葉をくれよ賢者…(ボソッ)」 ……えっと。剣士さん? 何かドMに進化してません? 「勇者…今回の報酬はこの前の倍な。」 盗賊はそう言うと戦闘体勢に…って 「盗賊ゥゥウ!! 結局お前は金なのかぁぁあ!!」 「? 勇者…何を今更。俺は金に命をかける男だろ?」 「いやいやいや!自分で言っちゃ駄目だから!!」 「……チッ…。」 アレ?今盗賊から舌打ちが… 「気のせいだ。」 …うん。気のせいじゃないよね。 A「…ごちゃごちゃと五月蝿いですね…速く死んでくださいよ!私達は速くお茶会に戻りたいんですから!!」 …お茶会? ―――――― ―そう。 あいつらは確かに言った。 【お茶会】と………やっぱり、わけわからん。 魔王城で四天王がお茶会? 似合わな過ぎて最早笑えないぞ…。 「勇者!」 「勇者。」 「…勇者。」 振り返ると、仲間達はこちらを見て、頷いた。 「よし…開けるぞ。」 ―ギィイィィィ…。 分厚い扉は音をたてて開き… 中にいる人物がはっきりと見えた。 「魔王!覚悟ォオ!!」 扉が開くと同時に駆け出し、中にいた人物に剣を振るう。 「む?」 その人物はそんな声を出しながら…こちらへ振り返った。 .
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