122人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
―ガキィイィインッ…。
金属と金属の当たる音が、広い部屋の中に響いた。
「く…ッ!」
―…強い!
振り返りきらずに…その人物は片腕で剣を受け止めていた…
おそらく、腕に金属の…盾になる物が巻かれているのだろうか。
後ろ姿しかわからないが…
漆黒のような黒い長い髪…
色白な肌…
全身黒の服…
多分…こいつは間違いなく魔王。
「流石は魔王…やるな…だが、俺の本気はこんなもんじゃ「お主は誰じゃ?(・ω・)」
……遮られた(´;ω;`)
魔王…と思われる奴は、その大きな赤い瞳で俺を見る。
…まるで…まるで、吸い込まれそうなまでの赤。
俺はそこで確信した。
こいつが魔王なのだと。
「俺は勇者…魔王、お前を倒す者だ「不審者め。速く出ていかないと酷いぞ?」
……話聞けよ。゚(゚´Д`゚)゚。
「なっ…貴様…お前は魔王だろ?俺と戦え!!」
俺はそう怒鳴るが、奴はさして気にしてないように喋りながら。
完全に俺の前に向かい合うように立つ。
…美しい。
俺はただそう思った。
端麗な顔立ちのそいつは…まさに美がつくだろう。
そして、その抜群のプロポーション。
出る所は出ていて…引き締まった体をしている。
…ん?いや、別に裸を見たわけじゃないぞ?!
露出が多い服だからわかっただけだ!!
「不法侵入。」
鈴のように凛とした声が…言い出す。
「更に言えば、殺傷罪。殺人未遂。目によるセクハラ。」
…ちょっと待て。最後のはおかしいだろ?!
「おい…」
「聞こえなかったか?訴えるのは勘弁してやるからさっさと出てけ…いや、帰れ。」
魔王…はそう言うと、まるで犬にするかのように
手でしっし…としている。
その目が軽蔑の視線に感じるのは何故だろう…(-"-;)
「ほれ虫共、さっさと行け。」
―ムカッ。
一体、何の為にはるばる来たと思ってんだこの糞やろうは…!!
「…もう我慢出来るか!!今すぐここで殺してやr「駄目ェェエ!!!!」
…俺が剣を向けた瞬間だった。
奴が来たのは。
―ドガアッ。
「ゲフゥッ?!」
奴は俺の背後から体当たりし、見事にヒットさせてきた。
―馬鹿な!いつの間に背後に…!!
と、口から血を出しながら思う俺。
そいつは慌ただしく魔王にかけより、姿が見えた。
「なッ?!お前は―」
短い金髪。
翠と金の美しいオッドアイ。
純白の神々しい服と…
美しい六枚の天使の翼…
……神…!!
最初のコメントを投稿しよう!