黄泉比良坂編

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・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・・・・ どこかでなにかが鳴っている。 単調で硬い音だった。 ??? 「・・・・・うるさい・・・・・・」 ??? 「ふあぁ~~~・・・・・ふぅ・・・・・・」 まだ眠い目をこすりながら、大きなあくびを一発。 どうも変な夢を見たせいか、腕が鉛のように重かった。 おかげで、今日の寝起きはすこぶる悪い。 ま、だからっていつも上機嫌ってわけでもないんだけど。 ったく、これも昨夜父さんから今書いてる本について、散々話を聞かされたせいだな。 ??? 「って、どんな夢みてたんだっけ?」 未だにボケたままの頭をすっきりさせるため、がーっと一気に窓を開けた。 暦の上では、9月に入ったばかり。 まだまだ夏の暑さは、これからが本番といった感じだ。 部屋の空気を入れ換えたところで、気分を一新。 昨日から新学期も始まっていて、あまりゆっくりもしてられないのだ。 手早く着替えると、朝の準備のために居間へ向かった。 父さん 「――で、どうだい、感想は? 聞いているだけで、ワクワクしてこないかい?」 父さん 「この地にまつわる伝説や説話。 かぬて調べてた『オオカミ』信仰・・・・」 父さん 「それらを引用したものなんだけど。 ボク的にはなかなかの快作になると思うんだけどね」 ??? 「・・・・さぁね」 意気揚々と話しかけてくる父さんに目もくれず、一言。 そんなぶっきらぼうな僕の答えが気に入らないようで、父さんは拗ねたように、声のトーンを下げた。
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