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『人間を・・・・・食べた?』
・・・・・・そうだ。
私は確かにニンゲンを『食べた』。
それは、抗えない甘美な魅惑だった。
あたり一面に溢れる魅惑的な匂い・・・・・・・
おまけに、私はカラカラに喉が渇いている。
抑えつけても抑えつけても、内から沸き起こる衝動は、とても抗いきれるものじゃなかった。
そして、ついに私は――
『ああ・・・・・私は・・・・』
美味しい・・・とても美味しい・・・・・・
美味美味美味美味美味美味美味美味美味美味美味
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
本能のままに口を吸い続けると、女の子はピクリとも抵抗を示さなくなっていた。
そこで、ようやく口唇を離す。
私 「・・・・・」
目の前に横たわるのは、『女の子』の姿だった。
なぜか彼女から先ほどまで漂わせていた甘い香りは、微塵も感じることができない。
もはや、餌ではなくニンゲンだった。
そう気がついた時、私は身体中から、フッと力が抜けていくのを感じた。
それと共に、またさっきまで感じていた喉の渇き・・・・・
まるで呪いでもかけられたかのように、身体には衝動が刻み込まれていた。
いや、実際に私は呪いにかけられたのかもしれない。
いったい、私はどうなってしまったんだろう?
私 「ッ!?」
未だ現状を整理できないまま立ち尽くしていると、どこからか鈴を鳴らすような音色が聞こえてきた。
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