4人が本棚に入れています
本棚に追加
凛として、心の奥底な響く音色・・・・・
私はその音色になぜか戦慄を覚えた。
全身から嫌な汗が、滝のようにながれてくる。
身体中で感じる恐怖・・・・・
正体はわからないけど、私は知っている。
それはまぎれもなく、『死』を運んでくるものだ。
私 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・」
さっきから耳の奥で、自分の呼吸が耳鳴りのように聞こえてくる。
地鳴りのような騒がしさに、ああ、そうかと思った。
今夜は、年に一度楽しいお祭りの夜・・・・・うるさくて当たり前だ。
けれど、その騒がしさとは裏腹に、辺りには人っ子一人通らない。
軽快に響いていた祭囃子に聴き入る見物人もいない。
・・・・・それはそうだ。
今、私がいる『ここ』は、華やかな祭りとは無縁の『場所』なんだから。
私 「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、・・・・・・」
駆け抜けるのは、先も見通せない程の闇の中。
それでも、後ろを振り返ることなく必死になって足を動かす。
身体の感覚なんてとっくになくなってるけれど、止まるわけにはいかない。
この闇さえ抜ければ・・・・・・
ここさえ逃げ出せれば、なんとかなる。
そう・・・・・・・私は、必死になって『逃げて』いた。
最初のコメントを投稿しよう!