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気がつけば艦隊は大東海の防衛ライン近くまで来ていた。
それをよそに雲の上では赤と白の戦闘機による空中戦が続いていた。
最初から燃料を満タンまで入れなかった前回とは違い、今日は十分すぎるほどの燃料を搭載しているオクサリスにとって戦闘時間はもはや無意味に等しかった。
やろうと思えばあと2時間以上戦闘可能である。
追っては逃げられ、追われては逃げ、2機が描く複雑な軌道は空中を踊っているようだった。
両手両足がせわしなく動き、機体の複雑な運動を操作する。
もうこの空間には2機以外いないような静寂の中にエンジン音と風切り音がこだまする。
両機が横に並んだ、速度を上げれば機体は撃ち抜かれ大海原に落ちるだろう。
2機ともエンジン出力を最低まで下ろした。
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