深紅の機体

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速度が落ちると次第に高度も下がってきて2機は並んだまま雲を這う形になった。 かき乱された気流が水しぶきのように雲をかたどる。 そのまま2機は雲の海に沈んでいった。 視界が白一色に塗り替えられる、横の敵機すら見えない。 今度はスロットルを最大まで上げて雲の上に出ようとする。 敵のパイロットも同じことを考えているのだろう。 ここで勝敗を決めるのは機体の加速性能と上昇能力だ。 エンジンが咆哮を上げて機体全体を引っ張る。 (今だ!) 操縦桿を折れそうな勢いで手前に目一杯引く。 目の前が明るくなったと思うと今度は視界が青一色に塗り替えられた。
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