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両脇には一直線に整列した基地の兵が彼女に敬礼をしている。
それに彼女は微笑みで返す。
誰もが息をのんだ。
その美しさは国内一とうたわれた彼女のその微笑みは兵士達の心を撃ち抜いた。
彼女が基地内の建物へ入っていった後、数人の兵士が気絶して医務室へ運ばれたのはここだけの話。
だが、あの微笑みは彼女の本心ではない。微笑みの演技だった。
ルールとマナーに縛り付けられた宮廷社会で生きていくために「作成」されたもう一人の彼女がした微笑みだった。
ここ10年で本来の彼女の姿をみたものは誰もいない。
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