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その基地の発令所で司令官と適当なやりとりをし、彼女は本日泊まる特別来賓室に足を踏み入れた。
綺麗な部屋なのだが室内には真新しい装飾品がとりあえずの位置に置かれてある。
くすっと彼女は誰にも気付かれない程の小さな声で笑った。滅多に使わない部屋なので手当たり次第に装飾品などを仕入れてきたことが一目瞭然だった。
しかし、これが軍隊というものなのだろうと思うと何も不満なことはなかった。
この基地には爆撃機部隊と少数の攻撃機部隊がある。
「戦闘機はないのね……」
今日初めて口から流れ出た透き通った声には軽い落胆の色が混ぜられていた。
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