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―何故私は王家に生まれてきてしまったのだろうか―
別に父母を恨んでいるわけではない、しかしその家柄が彼女の人生最大の足枷であることが問題だった。
―何故飛行機なんかに興味を持っているのだろう―
幼き日の記憶がどこからともなく蘇ってくる。まだ自分の運命に気付かず、本当の自分を隠す必要の無かったあの日々の思い出が鮮明に再生される。
エル・ラピスの城から見た見た曲芸飛行隊の華麗な空の舞。
いつしか乗せてもらったその機体。
風防を通して見た青空。それはなにもかもを平等に包み込んでくれるような気がしていた。
……そうだ。あの時からだ。空に魅せられるようになったのは。
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