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「失礼します」
カチャリとドアを開くと、部屋の中央の椅子にはふわりとしたドレスを身にまとったアイリス王女が座っていた。
その横には白い飛行服を着たパイロットがこちらを見ながら立っていた。
「トラウス、ベルーイ空軍基地のイソザキ・カイト一等空尉であります」
かかとを打ち鳴らすように気を付けの姿勢をとると、右の指先をこめかみに付けるようにカイトはアイリスと隣の白いパイロットに敬礼を送った。
パイロットの方は敬礼を返すが、アイリスはカイトの顔をじっと見つめた。
顔に血が昇ってくるがよくわかる。
「ご苦労様。よろしくお願いしますね」
ドレスのようにふわりとした微笑みを彼に投げ掛けながら挨拶を返した。
その微笑みは快晴の青空のように透き通っていて綺麗だった。
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