無機質

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明かりに近付いていくと そこに人がいるのがハッキリと見えてきた。 見たところ 俺の親父くらいの年で 背は低めで 少し白髪まじりの髪だ。 俺はボーッと光を眺めた。 なんて 落ち着くんだろう・・・ 今の状況なんて忘れてただただこの火を見つめていたい。 しかし 火はふっと消え おっさんがしゃべり始めた。 「ガスの無駄だな。火をつけるのはひかえて。まずはここから脱出することをかんがえよう」 ・・・このおっさんの言うことは正しい。 しかし、俺が この状況で唯一落ち着ける火を消されたのに腹が立った。
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