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十一月。夏服は姿を消し、校庭の木々もすっかり裸になっていた。
体育祭も、文化祭も、綾乃が居ないまま過ぎていった。
「ごめん。私たち手紙書くの降りるね」
申し訳なさそうにそう言われたのは、最初の手紙を書いてから約二ヶ月後の事だった。
丁度私も「もう止めようか」と、いつ切り出そうかと思っていた矢先だった。
みんなから先に言われて出鼻を挫かれたからなのか。私の偽善者魂の成せる技なのか。ともかく私は、一人で手紙を書き続けた。
「一人になっても手紙を書き続ける私って、なんて健気なんだろう」
と、やはりその状況でも酔いしれていた。
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