ハジマリ

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ピピピピピ、、、 鳴り響く目覚まし時計の音に亮介は目を覚ました。 今日は年に一度の運動会。 運動が苦手で、クラスの人からも苛められている亮介には地獄の様な行事だ。 重たい身体を引きずって一階へと降りた ――誰も居ない―― 亮介の親は共働きで、裕福とは言えない生活だった。 ぼんやりと考え事をしていた 朝の静まりが、まるで亮介を孤立した世界へと誘うようだった。 「嫌だなぁ」 そう呟いた。 学校へと足を進める。 嫌だ、学校の人と顔を合わせたくない… けども、確実に亮介の足は学校へと歩んでいた。 学校へつくと、みんなの体育大会話しでざわついていた。 ――カツッ―― 亮介が入るとクラスが静かになった。 しかし、また先ほどのざわめきが戻ってきた。 校長の長い話が終わり、流れるようにプログラムが進んでいく。 「次の種目はクラス対抗全員リレーです。」 放送委員のアナウンスと共に 一斉にスタート位置へと移動する。 移動中クラスの[誰か]が亮介に声をかた。 「お前がいるから負けるんだろうな 何でお前学校来たんだよ。」 亮介は痛かった。 頭でもお腹でもない 心が… 亮介の中で何かがはじけた様な気がした。 こういった時の時間は いつも早く過ぎるのは何故だろうか…? 次は亮介の番だ。 亮介の前の人が 近づく 近づく すぐ近くに (怖い……) そしてバトンを手に取り 走り出した。 結果なんて亮介もわかってた アニメやゲームの世界の様に上手くはいかないものなのだ。 クラス中は静まり返っていて、みんなが悔しそうな顔をしている 「お前がいなければ…」 悔し涙を目に溜めた人が亮介に吐き捨てるように言った。 そしてまた放課後がやって来た。 (お前なんていなければ…) その言葉がずっと鳴り響いている。 覚悟していたはずの痛みなのに… 涙が止まらなかった… 「僕なんて居なければ…」 そう呟いた瞬間 何かの音と共に亮介の意識は……遠ざかっていった。
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