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緑の草花の匂い。
眩しい日差しを感じ、亮介は目を開けた。
亮介は目を丸くする。
自分の見たことのない風景が目の前に浮かんでいたからだ。
、、頭が痛い。
しかし、帰る道も何もわからない亮介はただただ不安だった。
周りには広い草原と山、そして近くには森が茂っていた。
とりあえず誰かに聞いてみようかな……
亮介はのそのそと人を探して歩き始めた。
少し進んで、森を歩いていると――
ガサガサッ
亮介のすぐ目の前の茂みが何やらうごめいている。
バッ!
何かの影が動いたっ!
「うっ……うわぁっ!」
亮介はびっくりして腰を抜かしてしまった。
鳴き声をあげて現れたのは……。
何だ…?
角の生えたウサギ?とは違う。
何やら鋭い視線で睨んでいたが、動物好きの亮介は警戒心もなしに近づいた。
ザッ!
鋭い角が亮介の横を通り抜け、後ろの小さな岩を砕いた。
「へっ?」
訳が分からない!
凶暴すぎる!
亮介は本能に逃走を選んだのだ。
口からヨダレだったり鼻から鼻水が溢れていたのはちょっと恥ずかしい…。
走って三分もしないうちに体力に限界が来た。
自分は運動音痴なせいでここで朽ちるのか!?
「っ!」
しまった!
足を木の幹に取られ、膝から滑ってしまった。
絶体絶命
とは、まさにこういう事なのだろうか。
(もう駄目だ…!)
と、涙を浮かべながら目を瞑った。
僕の人生は最初から最後まで…。
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