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幾何学な紋様の魔法陣からは異様な雰囲気と冷気を放ってきている。 セロの中で警鐘が けたたましく鳴り響く。
魔法陣から距離を取ろうとするが、ここは室内。 しかも入口はレッカーに陣取られ、加えて魔法陣は天井全域に行き渡る程の大きさ。
「っ! 逃げ場が無い!!」
気付いた時には手遅れだった。
もし魔法にランク付けがあるならば、これは間違い無く上級以上だろう。 魔法陳から現れ始めるは氷山。 例えるなら、それだ。
そんな氷塊が鋭利な刃物のような形状で幾つも出現し始めた。
最初に穿たれた氷塊の比では無い。 比べるだけ無駄と言うもの。
「くらいなさい! 生きていたら、また会いましょう」
悪役の顔でそうとだけ述べ、レッカーは部屋から脱出していった。
「てめぇーー! マジで ぶっ殺す!! 月夜ばかりと思うなー……っ!!」
何かぎりぎりな気もする発言と共に氷塊が振り注ぎ、室内は轟音で満たされた。
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