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リアクションに困る。
あれはプロポーズ(当時、子供のクセにっ!)だったのか!!
「――あの時は、キャラメルに親父の…王の力が入ってるなんて知らなくて、綺流兎ちゃんに気軽にあげちゃって……ごめんな」
うなだれる夕羅を見て、あたしは謝らなきゃいけない事を思い出す。
「あっ、あたしの方こそ、最低とか…酷い事言ってごめん!…それから、そのっ……あたしは、ユ、夕羅の事…えぇっと…」
あ~、もうっ!また言葉がうまく出てこない!
火が吹きそうなくらい赤い顔で、シドロモドロしてるあたしに、
「……うん、何?」
ニコニコしながら期待した目で見つめてくる夕羅。
~~っ、コイツ、わかってて訊いてる。
確実に。
「…心、読めばっ!」
プイっとそっぽを向く。
「綺流兎ちゃんの口から聞きたいんだよ~」
「誰が言うかっ!!」
「じゃなきゃ態度で示してくれ~」
「誰が示すかっ!!」
……こんなかたちで、プロポーズは保留。
キャラメル色の髪。
コンプレックスもあったけど、今はこの色が、あたしの色。
――……大好きな、キャラメル色なんだ。
〈END〉
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