第1章 キャラメル色の災厄

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第1章 キャラメル色の災厄

 昔、約束したんだ。 『10年後に迎えに行くよ』  辺りは薄暗くて、風の音しか聴こえない。 『あなたはだれ?』  前髪で顔が隠れたその少年は、質問には答えず、口元で微笑む。 『…俺の髪の色って、これに似てるだろ?』  あたしに、そう言って贈り物をくれて去って行った。  あたしの手のひらには、キャラメルの包みがひとつ残ったんだ…。
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