PROLOGUE

4/5
前へ
/119ページ
次へ
そんなやり取りが思い浮かぶ。姉は本人には大分都合の良い記憶力をしている。 嫌でも毎日対面するので、嫌でも解るようになって仕舞い、私は姉を熟知して仕舞った。 何かするごとに私の脳裏にちらつく姉。 そんな、私が姉に抱く感情は憎悪だった。 憎くらしい! 憎い! 憎い! 憎い! 憎い! 知り合いに嫌いな人は何人かいるが、その好き嫌いの感情とはスケールが違う。 時折、苦しくなる。 時折、泣きたくもなる。食欲も無くなり、私はじわじわと弱っていく。 この悍ましい感情が私を苦しめる。この感情が姉に束縛されている実感を私に与える。 そう、何かにつけて私を束縛する姉。 なにをするにしても姉と比較される私。 どうして私が比較されるの!されなきゃならないの!あんな非の打ち所の無い人と姉妹だからって比較されるなんて・・・意味が解らない!皆、姉さんみたいにって言うけど、私は姉の二番煎じなんかじゃない! 姉の様にはならないし、なれない! 私は私なの! 私は、姉に復讐しなければ気が済まない。私は、姉に同じ気持ちを味わって貰わないと気が済まない。 私は姉から全てを奪ってやると決めたの。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加