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「照れなくっても良いんですよぉ?
ススムちゃんの隠れたS心を受け止められるのはリンだけだって……分かってますから。
ススムちゃんのためならDVだって喜んで受けます!!」
「だァァァァかァァァァらァァァァっ!!
そうゆう発言を止めろっつってんだろ!!
頼むからもっと普通の会話をしてくれ、怪しい単語を使うな!!
てか鼻血早く拭けっつってんだろ、足元血の池できてんぞ!?
どんだけ出血してんだよ!!
あ、もういっそそのまま出血多量で死んでみるか?」
あーいえばこーゆう。
こんな感じで何十回も言葉のキャッチボール……いや、ドッヂボールを続けて山崎はいい加減疲れてきた。
何度大坂に帰れと行っても聞かない、無理やり放り投げてもすぐにてくてく帰ってくる。
その姿は何度叩き潰して外に放り投げても、なぜか飛んでUターンして帰ってくるゴ●ブリを連想させた。
端から見ていても何だか気味の悪い光景で、平隊士達は気がつけば二人から距離をとってそれを見守っていた。
しぶといリンに山崎はとうとう音を上げる。
「はぁ……はぁ、あーもう……。
もういい、とにかく中入れ。
……話は土方さんのとこに連れて行ってからだ」
「い、いいんですか!?やったぁ!」
ついてこい、とリンを顎でくいっと促して山崎は屯所に入っていき、リンは嬉しそうに目をキラキラさせてそれについていく。
鬼の副長との異名を持つ土方なら、このリンをどうにか諦めさせて大坂に帰らせる事ができるかもしれない……そう考えての行動だ。
しかしこの行動が後に山崎自身の首を絞める事になるとは、この時はまだ知る由もなかった。
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