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土方が肯定の意を示したのを見ると、山崎は目をキラキラさせて喜ぶ。
「あ、ありがとうございます副長っ!!
あのっ、今からリン連れて来ますからよろしくお願いします!!
……くれぐれもアイツのペースに巻き込まれないように気をつけてくださいね……」
山崎は最後に憂いを帯びた表情で意味深な発言を残すと、急いでリンを呼びに出て行ってしまった。
部屋に残された土方は山崎の最後の言葉に何か嫌な予感がし、身震いする体を思わず両手でさすった。
一方山崎はこれでリンを追い返せると、思わずニヤける口を片手で隠しながら来た道を急いだ。
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山崎がリンを置いて部屋を出て行ってから少し経ったとき、がっしりとした体型とそれに相反する朗らかな笑顔が特徴的の新撰組局長、近藤勇が山崎の部屋の襖に手をかけた。
「おーい、山崎くん。
ちょっと用事を頼みたいん……」
近藤は部屋の光景が目に映った途端、思わず絶句した。
そこには、畳んだ布団の隙間から女子のものと思われる脚が二本生えていた。
まぁ実際は生えていたのではなくリンが頭から布団の隙間に潜り込んでいたのだが。
しかし異様な状況に近藤は部屋に入るのも忘れ、フリーズしてしまった。
そんな時、山崎は自分の部屋の前で立ち尽くしている近藤を見つけて一瞬で顔から血の気がひいた。
(ヤバいっ!!)
とっさに山崎は近藤に駆け寄る。
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