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「きょ、局長……?」
山崎が恐る恐る微動だにしない近藤に声をかける。
山崎の声にようやく意識を取り戻した近藤は、弱々しい声でつぶやきながら目をゴシゴシとこすってもう一度部屋の中を見た。
「や、山崎くん、私の目がおかしくなければ……その、布団から脚が……」
自信なさげに弱々しい口調で言う近藤のその言葉に、顔をひきつらせながら視線を部屋の中へと移す山崎。
その目に何とも異様なものが映った。
それを見た瞬間、山崎の頭に角が生えたように見えたのは気のせいではないだろう。
「くぉんのぉぉやろぉぉぉぉぉっ!!!」
山崎は般若のような形相で布団から生えている脚を片方掴むと、布団から無理やり引きずり出してそのまま勢いよく畳に投げ飛ばした。
「ふべばぉぉぉうぶっ!!」
布団から引きずり出された人物、つまりリンは奇妙な声を発してぶっ倒れる。
布団たたきのようにリンの体は畳に叩きつけられ、部屋に埃をまき散らせた。
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