ふたりのじかん

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それから一週間後。 肩に銃弾を浴びた少女はというと―― 「あーっ!沖田さんっ、それはリンのお饅頭ですぅ!」 「え~、そうなんですか?ご馳走になります」 「勝手にご馳走されんなぁぁ!」 「服部、まだあるから落ち着け……」 既にピンピンしていた。 まだ布で腕を吊って固定はしているものの、そんな事は関係なしに普段通りに暴れている。 残っている斎藤からの差し入れの饅頭を何とか沖田の胃袋から死守しながら、リンは猫のように威嚇する。 その時だった。 「ぎゃうっ!」 ゴンッと、突然頭に鈍い衝撃が。 痛みに、目に涙を浮かべて見上げると、そこには拳を握る土方の姿があった。 「このクソガキがぁ!暴れんなっつってんだろ!また傷が開きやがったら、今度こそ俺の薬飲ませっぞゴルァ」 「リンはお父ちゃんの薬があるから、あんな飲みにくそうなのいりません~」 「何だとゴルァ!飲んだ事ないのに決めつけてんじゃねぇぞ」 「だって原田さんと永倉さんが言ってましたもん」 「…………。原田ァ!永倉ァ!ちょっと来いてめぇらァ!絞めてやる!」 リンの言葉を聞いた土方は、こめかみに血管を浮き立たせて二人を探しに部屋を出ていく。 暫くして、誰かの叫び声が廊下から響いてきたが、リンは斎藤の饅頭に夢中で全く気にしていなかった。 「リン」 「あっ、ススムちゃんっ!おかえりなさい」 忍び装束のままの山崎が、リンの部屋に顔を出す。 山崎の顔を見たリンは、パァッと花が咲いたような笑顔で山崎に飛び付いた。 .
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