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土方は眉間に深い皺を寄せて、整った顔を引きつらせながら山崎の頭を片手でわしづかみにした。
「オイコラ山崎ぃ……、オレの目がおかしくなけりゃあ『屯所に行く』とか何とか書いてあったように見えたんだが……あれはオレの気のせいか、あ゛?」
そう言って山崎の頭を掴んでいる手に思いっきり力を込めていく。
山崎の頭がミシミシと悲鳴を上げた。
「いだだだだだだだ!!
すすすすすいません土方さん!!
リンは頭のネジが何本も行方不明になっちゃってるイタイ奴でして、とっぴな行動ばっかりするもんでオレも昔っから振り回されてばっかりなんですぅぅぅ!!
あああ、こうしてる間にもあいつが屯所に近づいている……!!
なな何とかしなければ……」
涙を流しながらワタワタしている山崎に少しばかりの同情の念が押し寄せ、土方はため息をつきながら山崎の頭から手を離す。
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