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その場にいる誰もが目を見張る程の凄まじい跳び蹴りで、三メートルくらい吹っ飛んだ少女……リンは白目をむいて地面に突っ伏す。
そんなリンを、山崎は猫でも持ち上げるかのように首根っこをつかんで片手で軽く持ち上げた。
「……おいコラ」
山崎の唸るような声で我に返ったのか、リンは大きな黒目をぱちっとさせた。
「きゃぁぁぁん!!
ススムちゃぁぁぁぁぁんっ!!
会いたかったよ~!!
むちゅぅぅぅ~」
山崎に再開のキスをしようとするが、首根っこを掴まれているため、ジタバタしても山崎との距離は縮まらず、手足が虚しく宙を切るだけだった。
そんなリンを尻目に山崎は冷たく言い放つ。
「何しにこんなトコまで来やがったんだオラ。
邪魔か?オレの人生の邪魔しに来たのか?
オレはもうお前のトンチンカンな性格に振り回されるのはまっぴらなんだよ。
さっさと大坂に帰れ、ハウス!!」
そう言うと、回れ右をさせてリンが先程来た道であろう方向へ思いっきり投げ飛ばす。
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