3/4
前へ
/18ページ
次へ
その夢と言うのは、決して悪夢でもハッピーエンドでもない、どこか不思議な夢だった。 その時僕は、見知らぬ森の中にいた。僕の足元には小さな川が流れている。しばらくすると、川の向こう側には半透明の黒い影、僕の方には光る小さな群れが集まっていた。すると、向こう側にいる影がその小さな群れ――蛍を手招きした。蛍はその手招きに応えるように一つ、二つと川を越えていつた。その時の辺りの情景は、とても幻想的で美しかった。と、その影の中に美姫の面影をちらつかせるものがいた。僕は思わずその影に声をかけようとした。しかし、いつもそこで夢が覚めてしまう。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加