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僕の暮らしている学生寮は大学の敷地の中にあるので、ギリギリでもなんとか間に合う。
始業のベルがなる前に僕はなんとか教室に入ることができた。席に着くと、すぐに教授が入ってきてきた。
長い講義が終わり、まわりの生徒たちは思い思いに席を移動したり、すぐ隣の席の人と話しをしたりしていた。
僕はしばらくぼけっとしていた。すると突然後ろから背中を叩かれた。
「うわっ!」
僕は驚いてとっさに後ろを振り向いた。
「なんだよー睦月ぃ。ノリ悪いなぁ」
さっき僕の背中を叩いた張本人は、高校から新しくできた友達の浅倉 淳(あさくら じゅん)だ。
「淳……? いくら友達だからといってやっていいことと悪いことがあるんじゃないかな?」
僕は少しむっとした顔つきで淳を見た。淳は高校のころからお調子者だった。
「悪い悪い。で、お前、昼飯はどうするつもりだ?」
「え? そりゃあ学生食堂で食べるけど……」
僕がそう答えると、
「食堂で食う、か……。何なら、俺と一緒に食べないか?」
淳の提案に僕は少しびっくりしたけど、せっかくなので、
「いいね。じゃあ、お昼になったらね」
「あぁ~よかったぜ。話したいこといっぱいあったんだよ」
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