遠征バス

3/5
前へ
/11ページ
次へ
真っ赤な戦闘服であるユニフォームを着込み、始めてのアウェイ参戦に胸をドキドキさせながら、まだ夜が明ける前の暗い道を、集合場所へと自転車を走らせました。 もう、すでにバスは到着しており、指定された3号車に乗り込み席に付きました。 バス内では、今日の試合の先発メンバーとか贔屓の選手の話しとか、サッカー談議に花が咲き、僕も気持ちが高揚してきました。 バス出発の2分前、一人の青年が息を切らしてバスに乗り込み、座席表を睨みながら僕の横に腰掛けました。 浅黒い肌 五分刈りの坊主頭 真っ黒いサングラス ジーンズには銀色のチェーン 足元を見ると先の尖ったイタリアン風のブーツ 兎に角、おっかないお兄さんが来て、僕の隣にドカンと腰掛けました。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加