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「いい具合にあなたが私に惚れたと思うので、私をほってください。」
「・・・はっ!?」
森崎瑛理珠は突拍子もなく問題発言を繰り出した。
いきなりすぎて京一はかたまった。
「あら、ごめんなさい。日本語間違えたわ。私とキスしてください。」
と訂正。
困った京一を見て、瑛理珠はにっこり笑った。
「何をどうしたらそんな日本語になるんだよ!」
京一は一応ツッコミを入れた。
話は本題に戻る。
「はぁ?なんで」
「だってあなたは私を大切にするって、私に逆らわないっていう契約書にサインしたわ。だからあなたに断る権利はないの。」
森崎の手には一枚の紙が掲げられていた。
そこには“森崎瑛理珠と槙野京一の今後の関係について”と称して、京一が瑛理珠に対して尽くす、的な内容が書かれていた。
そして契約書の一番したには、なぜか書いた記憶のない自分の名前と判が記されていた。
「んなもん書いた覚えねぇ!!」
身に覚えのない書類だっただけに、京一は焦った。
すると、瑛理珠はこの契約書が成った経緯を話し出した。
「授業中寝るのは良いと思うけど、休み時間までぐっすり寝るのはどうかと思うわ。」
「どういうこと?」
「あなたは無意識に自分の名前を書いてくれたわ。私はあなたの手に手を添えてただけ。」
「人の寝込みを襲ったのか!?」
「やめてよ、人聞きの悪い、、、」
そしてその後に付け足すように、
「あなたが霞む意識の中で必死に書いてくれた証明よ」
そう言うと、瑛理珠はにっこりと笑った。
「可愛くねぇ!」
京一は自分の不幸を嘆いた。
(不幸だ、、、)
「あら、こんな可愛い瑛理珠ちゃんに気に入られて光栄、じゃなくて?」
「・・・勝手に人の心の叫びを聞かないでくれ・・・」
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