序:ツンデレ

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  契約書の内容はこうだ。 一、槙野京一は森崎瑛理珠の彼氏である。森崎瑛理珠は槙野京一の彼女である。 二、槙野京一は森崎瑛理珠に逆らうことを認めない。 三、槙野京一の浮気は森崎瑛理珠が認める範囲のみ自由とする。(ex.槙野杏子) 四、この契約が破られた際には、槙野京一と森崎瑛理珠は婚約、即結納。 以上。 「ぅん?」  四つ目の内容がおかしいだろ、なんて、きっと突っ込んでも・・・、 「無駄よ。その契約書の文句も認めません。」  無駄だった。  結局心の中の中まで読まれていることに京一は観念した。  目を瞑って少しだけ上の方に顔を向けて佇む森崎瑛理珠の唇の上に、京一はそっと、自分の唇を置いた。  こうして俺、槙野京一は、森崎瑛理珠の彼氏になった。  同時に森崎瑛理珠は俺の彼女になったのだった。  
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