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「ドライバーで京一くんを開発したい。」
彼女の文房具話は飽きたらず続いた。
「やめろ、それ以上は、ってかもう発言がアウトな気がするんですけど、森崎瑛理珠さん」
「違うわよ、ドライバーを使って京一くんみたいなロボットを開発したい、ってことよ。」
「嘘だっ!絶対嘘だっ!」
「なぁに、京一くん。そんな疚しいこと考えてたの~。気持ち悪~い。」
「罠だ!これは罠だっ!粉バナナ!!!!」
忠告を華麗可憐に卑下の侮蔑で返されてしまって、京一は頭を抱えた。
「何を言っているの、京一くん。」
「すまない。どうしても発狂しなきゃいけない気がしたんだ。」
「ふーん。まぁ、京一くんもオトコノコだしね。そういう考えしちゃっても、私はあなたを嫌いになったりしないわ。むしろさらに京一くんに対して興味が湧いた。」
「そうかい?そりゃ光栄だ。」
この教室に自分と瑛理珠以外に誰もいなくて本当によかったと京一は思った。
そう胸をなで下ろしていると、瑛理珠は自分の筆箱をごそごそと漁っていた。
今更ながらに語るが、やけにデカい筆箱だ。ティッシュケースくらいあるかもしれない。
森崎瑛理珠は筆箱からどこからともなくプラスドライバーを取り出すと、そのドライバーの姿形をまじまじと見つめた。
「でも、確かにドライバーの柄って・・・」
「いいです!瑛理珠さん!俺が間違ってました。すみません!」
ダメだ、これ以上は確実にアウトだ。
No! Don't Say!!!!
「人が死んだときに置かれる花の門を開発―――」
「らめええぇぇぇぇ!!!!」
「京一くんを開発、、、カイハツ!」
「いやああああああ!!!」
結局この後、森崎瑛理珠は耳を塞ぎたくなるほどエロ発言を連発した。
そうして困惑してる俺をみて、こいつは愉快なのかと思うと少し悔しかった。
前略、
俺槙野京一の彼女はヤンでて、尚且つすごくエッチです。
「何を感傷に浸っているの?まだ私の話は終わってないわ」
誰か助けて。
京一は心の中で呟いた。
「あのね、カッターナイフのね―――」
今度はさっきよりも更に嫌な予感がした。
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