序:ツンデレ

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   この後、俺と杏子に何があったのか―――、  なんていうのは想像に任せてもらいたい。  ただ京一にあった問題は決して妹と妹以上の関係になったことだけではなかった。  それは妹のクラスメートの一人、そしてこの京一と杏子の秘密を知ってる人物だった。 「杏子ちゃんと何をしても、私はあなたを彼氏です」  意味不明な日本語で京一に囁くこの森崎瑛理珠こそ、京一と杏子の関係を知っている唯一の人物。  そして京一が逆らえないヤンデレ嬢様。  そして今日から京一の彼女。 「あの子、努力してる。私がお昼休みの時に一緒にお弁当食べていた時にあなたの話を持ち出したらいきなりツンツンし出すんだもの。まるであなたが本当に嫌いみたいに。」 「やめてくれ。杏子は関係ない。」 「シスコンは大変ね」  瑛理珠が蔑みの視線を京一に向けた。 「マジでやめろ!いい加減にしてくれ」 「でも、私はそんなあなたも愛してる。こうやって可愛い瑛理珠ちゃんに責められて困惑するあなたを見るのも最高に気持ちがいい。」  と、いかにも人を見下すように。  そして自分の気分が良いことをわざとアピールするように言い放った。  内心、そんな森崎瑛理珠が可愛くないかといったら嘘で、憎らしさが悔しいほどかわいかった。 「お前も、そういうねじ曲がった感覚をどうにかしろ!」 「ふふっ、本当はこんな瑛理珠ちゃんが可愛くて仕方ないくせに」  と、何を言っても京一は瑛理珠に叶わなかった。 「良かったら抱きしめてもいいよ。キスしちゃってもいいよ。杏子ちゃんにしたように―――」  小憎らしい発言、そしてこちら側をじっと妖艶の目で見つめる瑛理珠に、京一は悔しいほど惚れていた。  
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