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困惑する香奈美。
まぁ、無理もないな。
自分の死後11年後の
世界に来たのだから。
しかも、1/6のドール姿で。
「……?」
香奈美が、自分を調べ始めた。
「どうした、香奈美?」
「ねぇ、幸ちゃん。
これ、なんて服なの?
随分フリルが多いんだけど」
(ああ、つい最近だからな
メイドが流行したのが。
11年前の香奈美が知る由も
無いか……)
「香奈美、それはメイド服
と言ってな。今流行らしい」
一部地域ではな……。
「……鏡ある?」
「ああ、ちょっと待て。
持って来てやる」
壁掛けの小さい鏡を
フックから外し、
香奈美の前に出す。
「どうだ、香奈美?」
「これ、私……?なんか……
恥ずかしい……。
それに、私じゃないみたい」
初めてのメイド服姿に
戸惑う香奈美。
まぁ、これだけフリル付きな服は
早々にないだろう。
「でも、ちょっと嬉しい……」
「気に入ってもらえた様だな」
「う、うん……。でも、
やっぱり普段着の方が……」
「衣装高いからなぁ。
しばらくそれで居てくれ。
顔は、どうだ?」
「このままで良いわ。
さっきまで苦労して
描いてたみたいだし……」
そう言って、香奈美は
俺に、はにかんだ。
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