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「はい、もしもし。
くど……じゃなくて、
真田ですが?」
幸ちゃんの苗字を慌てて
言い直す。
「ああ、俺だ」
「幸ちゃん?どうしたの?」
「ちょっと、お前に
頼みたい事が有ってな」
「何か、忘れたの?」
「いや、そうじゃないんだ」
(何か、あったのかな……?
はっきりしないわね……)
「じゃあ……、何?」
「実は……、車で事故
起こしちまったんだ……。
相手も、カンカンでさ。
慰謝料よこせって言うんだ。
だから、お前に金を振り込んで
欲しくて電話したんだ……」
「幸ちゃん、ちょっと……。
大丈夫なの!?」
「ん、無事なのは無事だ。
けど、車がな……」
「そう、良かった……」
「でも、相手が怪我した
みたいでさ……。
俺も困って電話したんだ……。
頼む、100万振り込んでくれ。
お前にしか、頼めないんだ……」
「えっ、ちょっと待ってよ。
私には、出来ないよ……」
「でも、お前にしか頼め
無いんだ…。頼む、俺を
助けてくれ!」
(な、なんか必死……。
でも、なんかいつもの
幸ちゃんと違う気がする
何故かしら……?)
「でも、幸ちゃん。
さっき家から出るなって
行ったでしょ?」
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