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「さて、食うか。……あ」
私を見て、何かに気付く
幸ちゃん。
「……気にしないで。
今の私は、ドールだから
お腹は空かないわ。
……って、どうしたの?」
さっきのコンビニの袋から
幸ちゃんが箱を取り出した。
「幸ちゃん、何それ?」
「いや、香奈美にと思って
コンビニで食玩買ったんだ」
「食玩って……?」
「おまけ付きのお菓子の事。
食えなくても、味くらい
分かるかと思ったんだが
どうだ?」
「折角だから、試してみる」
「んじゃ、早速。はいよ」
幸ちゃんがさっきの箱から、
料理を出す。
それは海老ピラフだった。
「わぁ……、本物そっくり」
「最近の食玩も、
出来が良いからなぁ。
結構、大人買いする人も
居るらしいぞ」
「これを?食べられないのに?」
「聞いた話だとな」
「へぇ……。じゃ、早速」
おまけ付きに付いてた
スプーンを使って、一口。
ガッ、ガッ……。
……いこうとしたら、
スプーンが通らない。
と言うか、飲食店のサンプル
つついてるみたいに固い。
「……幸ちゃん、これ
スプーンが通らない」
「まぁ、食玩だしなぁ……」
苦笑する幸ちゃん。
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