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「……温めてみるか?」
「冷凍食品じゃないん
だから……」
でも、試してみた。
……1分後。
チーン!
電子レンジの音がする。
「どれどれ……」
ガチャッ……。
レンジのドアを開けた
幸ちゃんがびっくりした顔で
こっちを向いた。
「香奈美……」
「幸ちゃん……。
やっぱり失敗した?」
「……いや、出来てるぞ」
「嘘ぉ!?」
幸ちゃんがレンジから
さっきの海老ピラフを出して、
私に見せた。
紛れもなく、食べられそうな
海老ピラフが出てきた。
「これならいけるかも……。
ちょっと食べてみる」
再度、一口。
「あっ……、おいしい!
何でもやってみる物ね!」
「信じられん……。食玩を
レンジで温めただけなのに……。
俺にもくれ」
幸ちゃんにも、一口。
私のサイズで、だけど。
口に入れて、吹き出す
幸ちゃん。
「やはり……人間には、
食えんか……。
されど、食玩……だな」
(材料そのものは変化
しないからね……)
夕食も食べおわり、
まったりと過ごす。
11年間の隙間を埋めるかの様に、
沢山、話やゲームをした。
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