Turn2 同棲

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照れくさそうに私を見る 幸ちゃん。   (……そうだったんだ。 それに比べて私ったら 幸ちゃん試す様な事を……)   「ウッ……、ウッ……」   思わず涙が出る。   「香奈美……?どうした?」   「私、やっぱり幸ちゃんで 良かった……。ありがとう……」   「礼を言うのは、こっちの方さ。 もし中学の時に会ってなかったら こうしていられなかったからな。 ……おっと、コーヒー なくなっちまった。 もう一杯入れなおして 来るわ」   そういってマグカップを 持ちながら、台所に消える 幸ちゃん。   (……幸ちゃんを助けた私が、 今は幸ちゃんに助けられてる なんて……。 思いもよらなかったなぁ…。 これもまた、運命…… って事なのかなぁ? 多分……)   「泣いてると思ったら、 今度は笑ってるし……。 正直言って、恐いぞ」   コーヒーを入れなおした 幸ちゃんが台所から戻って来た。   「幸ちゃん、見てたの!? 酷ぉ~い!」   「なんでそんな事言われなきゃ ならないんだ?」   私達の間に、ゆったりとした 時間が流れた……。   気付けば時間は午後9時。   「さ~て、風呂に入るか」   (えっ、お風呂……? ちょっと待って……!? そうなると、幸ちゃんと!?)
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