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次の新月まで、
「そのこと」を出来るだけ考えないようにしていた。
でも、夜になると、
あの時のことをまざまざと思い出した。
深いキス
冷たい舌
細い指
吐息
そして、突き上げられる感触
何もかもが不快だった。
怖くて仕方なかった。
叫びたい衝動を
ぐっとこらえて、
布団の中に潜り込んだ。
窓からは、
柔らかい月光が射し込む。
月よ、このまま細く消えてなくならないでくれ、
と願った。
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