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高校の入学から約2週間。
桜はすっかり散って、
その青い葉が眩しい季節になった。
俺は中学から続けてきた
弓道部に入り、
そろそろ本格的に部活が始まった。
その日は、練習が少し遅くなって、
帰る頃には、
辺りは真っ暗だった。
高校への最寄駅からは徒歩で
帰宅する俺は、
いつものように古い神社の前を
通り過ぎようとしていた。
樹齢何百年と思われる
大きな樹に囲まれ、
電灯も近くに無いその神社は
夜になると誰も近寄らないような
薄気味悪い場所だった。
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