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「でも、わかるでしょう? 今飛び出しても、やつらに見つかったら殺されるだけよ。我慢しなさい」
「わかってる」
ため息を吐く。そして、ベッドから下り、立ち上がった。
「リオン」
「わかってるって。学園を見てくる」
エーシェも深く詮索はしてこなかった。小さく頷いたのを見て、リオンは外に出る。
快晴。リオンの心とは真逆の天候が広がっていた。
◆
魔法学園は一週間前、終わりのゼロの襲撃を受け、壊滅状態だった。今、皆で力を合わせて復興に勤しんでいるところ。
リオンがやってくると、一人の少年がやってきた。端正な顔付きではあるが、性格が伴わない、可哀相な男。
「やあ、リオンくん。その後の調子はどうだい?」
ランド・ロ・スターマンだった。彼も復興事業に奮闘する生徒の一人。金持ちのボンボンのはずだったが、この場では関係ないらしい。
「別に、悪くはないよ。それよかこっちはどうなんだ?」
「完全に直るのは一ヶ月後ってところかな。何しろ大人達が犯人の捕獲に躍起になってるから。人員不足」
「……やめとけばいいのに」
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