第十八話

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  「でも、わかるでしょう? 今飛び出しても、やつらに見つかったら殺されるだけよ。我慢しなさい」 「わかってる」 ため息を吐く。そして、ベッドから下り、立ち上がった。 「リオン」 「わかってるって。学園を見てくる」 エーシェも深く詮索はしてこなかった。小さく頷いたのを見て、リオンは外に出る。 快晴。リオンの心とは真逆の天候が広がっていた。  ◆ 魔法学園は一週間前、終わりのゼロの襲撃を受け、壊滅状態だった。今、皆で力を合わせて復興に勤しんでいるところ。 リオンがやってくると、一人の少年がやってきた。端正な顔付きではあるが、性格が伴わない、可哀相な男。 「やあ、リオンくん。その後の調子はどうだい?」 ランド・ロ・スターマンだった。彼も復興事業に奮闘する生徒の一人。金持ちのボンボンのはずだったが、この場では関係ないらしい。 「別に、悪くはないよ。それよかこっちはどうなんだ?」 「完全に直るのは一ヶ月後ってところかな。何しろ大人達が犯人の捕獲に躍起になってるから。人員不足」 「……やめとけばいいのに」
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