21538人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし真早貴とキースはこれといってエーリと接点はない。
それどころか真早貴はエーリたんなどと呼ぶため、印象は悪くなっている。
「俺っち達は雪野っちに教えて貰う約束をしていたのよな!だから得とかは関係なしに、一緒に行って鈴たんと勉強する権利があるのよな!」
「そうッスよ!別に普段接点がない鈴ちゃんにこの機会に手を出そうなんて微塵にも思ってないッスよ!」
お互いに息を会わせて発言した後、ん?と疑問を浮かべて向き合う。
その理由は簡単だ。
「キース……まさかお前も鈴たんが勉強会に加わったからって俺っちと同じ目的を…?」
「まさか真早っちも水城ちゃんを狙って…?」
そう、二人には勉強会に水城鈴が加わるという事で、下心が生まれた…いや生まれてしまったのだ。
二人は勉強をしに行く…という目的を忘れて、水城鈴とどちらが一緒に甘い勉強時間を過ごすか笑顔で話し合いを始める。
だが途中から話し合いはエスカレート。拳での語り合いに変わり、教室が騒がしくなりだした。
「「「貴様ら!抜け駆けは許さんぞ!!」」」
そしてその騒ぎで、Fクラス全員に女子参加勉強会の情報が漏れて、他男子もこれに加わりさらに騒ぎは拡大する。
「……元気な奴らだ。」
騒ぎに巻き込まれないよう、瞬時に教室の端に移動した雪野がボソッと呟く。
結局この騒ぎは次の授業が始まって、先生が教室に入ってくるまで続いていた。
最初のコメントを投稿しよう!