氷帝

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ここは荒野。 空は雲で覆われており、どんよりとした場所だ。 そんな場所にローブで体と顔を覆った一人の少年がいた。 「来るか…」 ローブのせいで少年の表情は伺えないが、辺りが少し緊迫した空気になる。 そして少年に向けて突如空から業火を濃縮した火炎球が放たれた。 《氷護―冷華(レイカ)―》 それに対して少年が魔法を唱えると、氷の華が彼の前に現れて防御壁となる。 キンッ…そんな高い音とともに火炎球が少年の作った防御壁とぶつかると、その瞬間それは凍って砕け散った。 そして火炎球を追うようにして空に現れたのはドラゴン。 しかしただのドラゴンではない。 炎の属性をその身に宿し、獄炎を操ると言われる特殊なドラゴン。 この世界ではフレアドラゴンと呼ばれている。  
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