戦鬼

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そして雪野がついた時には、既に戦鬼の兵士が何十人も屋敷の庭に転がっていたが、クラセリアも同じく倒れていた。 そしてそれを楽しそうに見ている男がいて、雪野には聞こえないが何か話していた。 そこに雪野は入りこむ。 「あー、はいそこまで。」 突如として現れた雪野にこの場にいた者は驚愕するが、やがて戦鬼の隊長…炎鬼は手間が省けたと言わんばかりに嬉々とする。 「白ローブ?何だ次の標的もここにいやがっ…たッ!?」 そして愉快そうに喋り出す炎鬼だが、その言葉は最後まで言えなかった。 否。雪野に殴り飛ばされたため、言葉の続きを強引に止められていた。 「なにが…」 それを見て困惑した様子を残すも、倒れていたクラセリアは気を失ってしまった。 そして炎鬼が殴り飛ばされてから、戦鬼の兵士は現れた雪野に向けて、直ぐ様魔法を唱える。 《氷護―冷華―》 炎の渦や竜の顎を象った水の奔流、雷のランスや鋼の球体。その他合わせて十の魔法が雪野へと飛んでいくが、それらは例外なく氷の華とぶつかった瞬間に一瞬で凍りつき、消滅した。  
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