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「あー先に言っとくけど…多分手加減できない。」
と、魔法を防いでから雪野は宣言する。
「ンだよてめぇ!!よくも俺様を!!」
ここで先程殴り飛ばされた炎鬼が怒りを前面に押し出して帰ってきた。
《炎爆衝動》
ボボボボボッ!っと炎鬼が魔法を唱えた途端、爆発が波のように起こり、それが雪野に向かってゆく…
最早怒り優先で、クラセリアに倒された戦鬼の兵士など関係なしのようだ。
倒れていた者で、炎鬼から雪野への直線上にいた兵士は爆発に巻き込まれ消滅してゆく…
その様子からして威力は申し分ないようだ。
《氷護―氷華(ヒョウカ)―》
と、ここで雪野はいつも唱える防御魔法とは少し違う魔法を唱えた。
雪野は絶対防御の魔法を三つ持っている。
一つは冷華(れいか)、そしてその上が氷華(ひょうか)、最上級が氷千華(ひょうせんか)だ。
冷華は氷の華を咲かすことで、魔法が触れた途端に何であろうと凍らして砕く。しかしこれは範囲が限られてくるため、爆発型など全体攻撃魔法を防ぐのは難しい。
そこで氷華がある。
氷華は雪野を三百六十度、つまりは全方位を防ぐ魔法で、一定の威力までの魔法を完全に無効化できるのだ。
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