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「いよいよ期末試験…なのよな。」
「そうッスねぇ…」
教室の中。
休み時間に何やら憂いを帯びた表情で、真早貴とキースが呟く。
そう、ここクロス学園は三学期制の体制を整えており、学期末には期末試験を行う。
ちなみに期末試験とは、筆記試験と個人の魔法力を測る、生徒達にとっては長期休暇に入る前の試練………いわば、一学期最後の関門のことである。
そしてここ真早貴達のクラスはFクラス。学年最下位に位置しており、学力レベルは決して高くない。
実技にしても同様である。
しかしテストはAクラスを含めて学年で同じものに統一されている。
つまり試験問題はFクラスだからといって簡単ではないし、実技もハンデなどは存在しない。
ゆえに、赤点という難題をどう乗り越えようか…という事で真早貴達は悩んでいるのだ。
「期末試験がどうかしたのか?何か問題あんの?」
しかし、ここでしれっと雪野が問題発言を投下する。
さて、ここで雪野について少し見直してみよう。
まず学力。
特殊属性である“氷”の魔法を自らで創り出せるほど既存の理論や構成などは完璧に理解しており、授業内容などはもちろんお手のものだ。
次に実技。
元いた世界ではSSランクという、強者の内の一人であったため、戦闘に関しては玄人と言っても過言ではない。
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